2009年09月22日

昇圧回路と電池のエネルギー

乾電池に含まれるエネルギーの総量はAA(単三)乾電池ですと

1.5V 1000~1800mAh位です。
(まあ1.2~1.8Vくらい電池の種類でバラけますが)
W表記だと1.5W~2.7Wのエネルギーが
乾電池1個あたりから取り出せる総量という計算になります。

つまり1.5W~2.7WのLEDやレーザーなら
1時間は使える事になりますが!!!

ここで問題が

1.5VではLEDやレーザーが、そもそも点灯しないと言う事です。

大体、高輝度のLEDやレーザーは2.7~3.8Vの電圧が無ければ
点灯し出さない為、1.5Vの乾電池1本では
エネルギー量があっても使えない・・・となってしまうわけです。

しかし、合計したエネルギーでは、それらの機器を十分に
動かす事が出来るのに、V=電圧が足りないばかりに
使えないのは~と言う所で昇圧DCを採用する考えです。

トータルは1.5W~2.7W × 1時間のエネルギーがある・・・
でも1.5Vしかでない・・・なら1.5W~2.7Wから3V取り出して
3V × 500mA~900mAとして使うのは??

これでも、総エネルギーは同じなので矛盾はありません。

昇圧する事でのメリットは
1.電池本来よりも高い電圧を取り出せる。
2.電池が減り電圧が下がっても安定して高い電圧を維持できる。
3.電池のエネルギーを最後まで取り出せる。
4.電池本数や重量を減らせる。
5.降圧に比べて取り出せる電流(A)が少ない
(1.5Vの乾電池は2A~5Aの瞬間最大電流が取り出せるので
1.5Vx5A=7.5Wの電力が出せるのですが、昇圧して24Vにすると
7.5W ÷ 24V=0.31Aとなり、取り出せる電流は310mAと弱くなるのです。
つまり乾電池一本で電動ガン8.4Vを動かすなどは、困難です。
無理では無いのですが、誰もやらんでしょう。)

昇圧によるデメリットは
1.DC/DC選定や設計により5%~40%のロスが出る。(ロス分は熱になる)
2.本数を減らした場合、ランタイムが短くなる。
3.性能が上がるが、機器の価格も上がる。
4.構造が複雑になる。

そんな感じです。
スタンガンなどは数Vから数百万Vまで上げていますよね
その代わり、電池の消耗は非常に早いです。

ちなみに一般的なNVナイトビジョンにも昇圧回路が入っており
Gen.1世代より昔は9Vとか12Vとか24Vのバッテリーで動いていたNVも
今では、AA 2本とかCR123で動くようになっています。
これは内部で昇圧して駆動に必要な電圧まで高めているせいです。

昇圧回路と電池のエネルギー

これなら、乾電池一本でもレーザー等を駆動でき
本体のデザインやサイズも、ある程度自由に出来ますね?
なにも高価なCR123を2本使う事が必須なわけではないのです。

単3乾電池1本でも220lm位のライトは作れますから~
(1~2時間で電池は切れますが。)

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昇圧回路と電池のエネルギー
図解1

昇圧回路と電池のエネルギー
図解2




!! オススメ !!



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Posted by sinn-te  at 13:00 │Comments(0)非常用電源・蓄電・発電

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