2012年11月07日

超えないといけない壁?

鍛造が出来ないので近代鋼(ステンレス鋼だったり粉末鋼)を使っていますが
ちなみに、近代鋼が鍛造鋼に対して、少し・・・負けていると思う所はコレ

超えないといけない壁?
(画像は拾い物)

「構造的な複合材である事」

近代鋼は、その均一な性質上、量産や製造において極めて一定の品質を
保てるよう製造に工夫がされている。
よって、製造工程上で性能差が殆ど出ない反面、奇跡的な
強度バランス(硬さ+柔軟性+切れ味)が発生する事はない・・・(つまり、傑作の1本などは生まれない)

つまり、単一材の近代鋼は、大げさに言って
硬い物はガラスのように切れるが、脆い。
柔らかい物は、板バネのように柔らかいが、切れ味や刃持ちは悪い。
と言う性質上の壁が存在する。

画像に有るような、新々刀や古刀のような
切っ先から凌ぎが超硬質で内部が高反発で背や峰が柔らかい。という
複雑構造の刃物は・・・製造プロセス上で作れない。(無理やりしても安定させられない)

ゆえに、これらの鍛造刀の性能が対人や対生物に対して有効である事は認めざる得ない。

近代刃物鋼で構造刃をやろうとすると、部分「焼入れ」とか部分「浸炭」とか
ちょっと信じられない工数をかける事に・・・他の部分を冷却しながら、任意の場所を
1100℃に急加熱とか、それはもう、凄い面倒な事をする事になる。






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Posted by sinn-te  at 15:24 │Comments(5)ナイフ・刃物全般

この記事へのコメント
…当たり前じゃん
Posted by 主審 at 2012年11月07日 16:12
・・・・・・そう?
Posted by sinn-tesinn-te at 2012年11月08日 20:38
ハイテクも何も無い昔に、コレだけの代物が作れた日本人は凄い!
現代人が見習わなければいけないですな・・・

全鋼製の素材で、複数の機能を持たせるのにも限界がありますな・・・
Posted by ナイフスクール at 2012年11月08日 22:23
こんにちわ♪

日本刀はいいですね♪ヽ(´▽`)/。

新刀と古刀って、同じ身幅でも重さが違うんですよね~(^^)。

現代製錬で、同じ金属が100%出来るかと言えば、無理なんです。

厳密に言えば近い鋼材を一定条件内におさめる事で鋼板の名前が決まるんです。添加物の含有量を○○%~○○%以内と、以外とアバウトなんですよね。

それから、製錬行程を考えると地球上では100%均一は不可能と言い切れるんです。重力の影響下で比重の異なる金属を溶かし、異なる金属の安定する温度差で濃度が変わっちゃうんです(TT)。

だから、部分錆びしたり、製品化した時に当たりハズレが出来ちゃうんですよね(*´∇`*)。

短所と長所をもち合わせるから、日本刀は強く、しなやかで美しいと、昔のおじいさんに教えてもらいましたよ(*´∇`*)。
Posted by 播磨の、信太郎播磨の、信太郎 at 2012年11月10日 12:32
「折れる」
「曲がった」
「すぐ切れなくなる」

硬度や弾力など試験機や破断試験が出来なかった時代に
おそらくは武士からのクレームで改良を続けて
この形に到達したのは凄いと思います。

美術刀剣ではない現代刀匠の実用刀剣で
一振り欲しいものです・・・
(ガンガン巻き藁とか青竹とか切っちゃうけどw)
Posted by sinn-tesinn-te at 2012年11月11日 11:34
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